【研修医必見】訴えられない中心静脈穿刺(CV)の説明と安全に穿刺するコツ

【研修医必見】

訴えられない中心静脈穿刺(CV)の説明と

安全に穿刺するコツ

中心静脈穿刺合併症に係る死亡分析から学ぶ)

 

医療事故の再発防止に向けた提言に記載されていたCVの教育が非常に参考になったので、まとめてみました。CVの穿刺動画もすごくわかり易くなっております。

適応

中心静脈穿刺は、致死合併症が生じ得るリスクの高い医療行為(危険手技)であるとの認識を持つことが重要である。血液凝固障害と血管内脱水がある患者は特に致命的になる可能性が高く、高リスク患者では、PICCの適応を協議し、適応は慎重に決定する。
(血管損傷時にバックアップ体制があるか、抗凝固を中止できないか、挿入困難症例は基幹病院と連携できないかも検討しておく)

IC (患者への説明)

必要性とリスクを書面で説明する。死亡するリスクを考慮しても挿入が必要と判断される場合は、その旨を説明し、患者、家族の理解を得る必要がある。(訴訟例の多くは、死亡
するリスクが説明されていなかった。)

手技

https://www.medsafe.or.jp/movie/(穿刺の解説動画)

内頸静脈穿刺前に静脈の深さ、太さ、虚脱の有無を確認する。肩枕、下肢挙上で血管が穿刺しやすくなる。肩枕で頭部を下げると空気塞栓が起こりにくくなる。

②エコーガイド下穿刺の盲点 (針先確認はしっかりと)
(単一の視野では針先の誤認がおこることがある。先端のスキャンはエコーを振って確認する。または長軸から短軸、短軸長軸に変えて確認することも重要)

③やせている患者には深く刺しすぎないように注意する。内頸静脈の深さは何cmまでが把握し、手技中に何cm刺しているか大体わかっておく。(BMI20以下のやせている症例で動脈穿刺が多い3cm以上穿刺しないことが重要。4cm穿刺で鎖骨下静脈、5cmで気胸が起こる。)

④セルジンガーで穿刺する時は内筒抜去してシリンジで直接引く(内筒内に血栓があると逆血がわからないことも)

⑤内筒抜去後は空気塞栓の予防のため指で穿刺部のフタをする。

⑥内頸静脈穿刺の場合、ガイドワイヤーは20cm以上挿入しない。(20cm以上の挿入で不整脈や静脈壁損傷のリスクがある。)

位置確認

穿刺後ガイドワイヤー留置後ダイレーター挿入前にエコー(短軸・長軸像の両者)で
位置確認をする。逆血がなければそのカテーテルは使用してはならない。理想的な先端の位置は、鎖骨下縁と気管分岐部下縁の間(Xpで事前に確認して何cm挿入するか決めておく)

患者管理

処置中はSATモニターをつけ、前後vitalを測定する。

気胸、動脈穿刺、血管損傷例の多くが穿刺1h以内にSAT、血圧低下があった。

血圧低下や息苦しさ、不穏などの患者の変化があった場合、不自然な逆流があったら、カテーテルの先端位置の異常を積極的に疑い、迅速に検査する。

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